はじめに
国際的な気候変動や生物多様性への対応が求められる中、森林の有する多面的機能に対する民間企業の関心が高まっています。例えば、企業活動に伴う二酸化炭素排出をオフセットするためのカーボンクレジットの取引なども盛んになってきましたし、社有林を活用したPRなども進んできています。
森林の有する多面的機能には、地球温暖化防止(二酸化炭素の吸収)以外にも、水源の涵養や国土の保全など様々あり、日本全体で年間70兆円の経済的価値があるといわれています。他方で、個々の森林において、多面的機能の価値を評価することは、科学的手法の理解やデータ取得の困難さも相まって、正直容易ではありません。
そうした中、林野庁では3か年の検討を経て、2026年3月に「林地における水資源涵養量(貯留機能)の簡易評価手法」として、水源涵養機能を定量的に評価するExcel計算表を公表しました。
今回やったこと
林野庁が公表した報告書及びExcelツールを読解し、同じ理論の下で水源涵養機能の評価をより簡単に実行できるQGISプラグイン「ForestWaterRechargeJP」を開発しました。
林野庁が公表したツールは、気象庁や国土地理院、産業技術総合研究所等の各機関のWEB-GISから数値を読み取り、それをExcelに転記し、森林の種類が増えれば、それと同じだけExcelシートを複製し…と、正直、容易ではありません(小声)。
そこで、本プラグインでは、各種外部データのAPI取得等により、ユーザの事前準備の負担を減らし、①林地タイプ、②立木密度、③胸高直径、④平均樹高の4つの情報を整理したポリゴンデータを自分で用意するだけで、毎月及び年間の降水量、蒸発散量、流出量、水資源涵養量を自動計算・集計し、森林の価値を見える化させることを実現しました。なんと、UI上でボタンを数個ポチポチするだけです‼
これを用いれば、例えば、森林施業のための現地調査、J-クレジット創出のための現地調査のデータを使いまわすことで、木材の価値、二酸化炭素吸収の価値に加え、水資源の価値も訴求する数字を簡単に添えることが可能となり、自然資本の強みをよりアピールすることが可能となります。
プラグインの紹介
プラグインの使用感は次のとおりです。本プラグインは、現状一般公開はしておりません。企業価値をPRしていきたい‼とお声掛けいただいた企業等に限り、個別に提供したいと考えております。


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